刺草の雑記帳

好きなもののことを書き留めるブログ。刺す草と書いて「いらくさ」。

女の子の冒険のお話

今週のお題特別編「素敵な絵本」

 

自力で字が読めるようになった頃、ひたすら童話の絵本を読んでいた。

 日本の昔話や外国の童話など、うちに20冊以上はあったはずだ。一冊400円前後の、小さい絵本。それらを何度も読み返した。

今となっては、同じ本を何度も読み返すことはあまりない。買っても読まないで積んでいる本があるなんて、まだ自由に本を買えなかった頃の私が聞いたら怒り出すのではないかと思う。当時の私にとって、本を読むことは今以上に重要な娯楽だった。

 

印象に残っていて、なおかつ好きだったのが「白鳥の王子」「雪の女王だ。どちらもアンデルセン童話。

「白鳥の王子」は、継母の呪いで白鳥にされた11人の王子と、その妹であるお姫様のお話。

城を追い出されたお姫様が兄たちと再会し、呪いを解くため、魔女と疑われ火あぶりにされそうになりながらも、手を傷つけるイラクサを編んで服を作る。当時読んだ童話のなかでも、特に「人のために頑張っているキャラクター」がこのお話のお姫様だった。

雪の女王」も、仲良しの男の子を助けに行く女の子のお話。

雪の女王に連れて行かれた男の子を追って、一人で旅をする。

魔女に男の子のことを忘れさせられたり、盗賊に遭遇したり。波乱万丈の旅だ。

ほとんど雪など見たことがなかったので、雪が沢山降るようなところに行くなんて、本当に遠くまで行くんだなあと思っていた。当時は小さな女の子一人で魔境へたどり着くことの難しさがどれほどのものかは考えなかったが(私より女の子の方が年上だったせいもある)、鬼とか倒すのよりよっぽど難しい気がする。

北は傷心旅行に行く場所ではなく、大事なものを取り戻すために赴く場所。

 

昔持っていた絵本はみつからなかったが、この二つのお話をもう一度読んでみたいと思って、本を買ってきた。

角川つばさ文庫の『新訳 雪の女王アンデルセン名作選』。

 「雪の女王」「白鳥の王子」、「夜鳴きうぐいす」が収録されている。

新訳 雪の女王―アンデルセン名作選 (角川つばさ文庫)

新訳 雪の女王―アンデルセン名作選 (角川つばさ文庫)

 

 児童書だけれど(小学校中級から)、表紙と中のイラストの可愛らしさに惹かれて。

昔読んだ絵本は、女の子たちをヨーロッパ風の美人さんに描いていたが、世話を焼きたくなるのはこちらの女の子たちかもしれない。かわいい。

人どころか動植物さえ女の子に力を貸してくれるさまは、『聖☆おにいさん』のあの二人が起こす奇跡を見るようだ(というかロン毛の人の加護を受けてる)。愛や無垢さ、信心深さが、この物語の世界では強大な力を持つ。

絵本では素朴な話だったように記憶していたのだが、それは細かな描写を省いてあったためらしい。原作の文章は割ときらびやかで、このお話に抱いていた印象がちょっと変わった。

 

もし「白鳥の王子」や雪の女王」の絵本を買いなおすなら、絵も本文も吟味して、本当に気に入ったものを買いたいと思う。そして何度も読み返すのだ。小さい頃のように。