刺草の雑記帳

好きなもののことを書き留めるブログ。刺す草と書いて「いらくさ」。

田辺イエロウ『BIRDMEN』感想など

※1巻収録分(#プロローグ1、2とflight001~003)、および007話読了につき、ネタバレ注意。単行本派だが、先月ちょっと本誌を覗いたら007話が愉快なことになってて、サンデー買ってきた。

 

BIRDMEN 1 (少年サンデーコミックス)

 

ひとまずは1巻あらすじから。なお表紙の人物は主人公ではない。

この漫画の主人公・烏丸英司は、いわば非リア充。クラスに友達はいない。

押し付けがましい母親や能天気な同級生たちが気に食わない、でも人の目はすごく気になる、気難しい中学3年生。

厳つい外見で誤解されがちな友人・鴨田といつものように学校をさぼり公園に行く。天真爛漫な少女・つばめや同学年のリア充系男子・鷺沢に遭遇しつつ、この世の不公平さをぼやいていたが、四人は帰り道に事故に遭い、生死をさまよう。そして最近出没すると噂の「鳥男」が彼らの前に現れ…。

事故から生還するも背中から翼が生えた四人は、鳥男に接触する。質疑応答中に異形のなにかが襲ってきて、以下次巻。まだ物語は始まったばかり、だ。

  

この巻で一番好きなシーンは、1話(#プロローグ1)にある。厳つい顔の大柄な男子と烏丸、接点のなさそうな二人が、休み時間の廊下で出くわしたところ。烏丸はその日学校で最初に人と言葉を交わす。

ああよかった、と思った。ずっと不機嫌そうだった烏丸が表情を和らげるのをようやく見られたから。たった一人でも、いい友達がいるんじゃないかと結構安心した。

烏丸と鴨田が二人でいるときの様子を見れば、彼らと仲良くなりたいと思う同級生がもっといてもおかしくないと思うのだが。

 

飛ぶ練習や人助けもしなくてはいけないのだけど、烏丸がすべきことは根本的にはおそらくふたつ。

ひとつは先輩鳥男をもっと知ること。

四人に力を分け与えた彼は、一応烏丸たちと同じ境遇にあるのにどこか異質だ。謎の力と(少なくとも当面の間は)付き合っていくのに必要というだけでなく、一度は親近感を覚えた相手を知ろうとすることが、きっと双方に変化をもたらす。

ちなみに、(鴨田とつるむようになった経緯をみるに)烏丸はつばめや鷺沢のようなタイプに弱いみたいなので、彼らと仲良くなれるかについては一切心配していない。

もうひとつは、自分を好きになること。

他人を好きになるより、こっちの方がきっと難しい。

 007話では過去に成し遂げた快挙が明らかになったが、烏丸が自分のことを本気で嫌っているのもわかった。頭が良くて細かいことに気がついて、そばにいる人には優しいところが、見事にマイナスに働いて自分を苦しめる。

彼が自己嫌悪から自由になり、羽ばたいていける日はいつになるだろう。

 

今は月一くらいの連載なので、のんびりと彼らを見守りたいと思う。

次回と来月発売の2巻が楽しみだ。