恐竜の思い出(思い出と書いてトラウマと読む)
小さい頃、うちに子ども向けの恐竜の図鑑があった。
ようやく自力でひらがなが読めるようになった保育園年長組の頃に、他の子ども向け図鑑や昔話同様読み漁った。
大きかったり肉食のがいたりするとはいえ、恐竜自体は別に怖いと思わなかった。
恐竜怖いなと思ったのは、少し後の映画・ジュラシックパークでのこと(そういえば一度もちゃんと見たことないが)。
強烈に印象に残ったのは、やつらが「絶滅」したということだ。
隕石の衝突などの仮説が載っていたが、どういう経緯があったにせよ、生き物がごっそり死んだわけで。それを知って、なにかものすごく不安になったのを覚えている。
それでも化石には興味を持った。図鑑に載っていた「恐竜の墓場」は不気味だったが(モノクロ写真だったから余計に)、ものすごく昔に生きていたものが、今も形を留めているなんて。
感動のあまり保育園の園庭に草を埋め、いつか化石になるのだと周囲に豪語した記憶がある。やや黒歴史。
考えてみると、私の石好きの原点はこのあたりにある気がする。今も小さいアンモナイト集めてるし。
恐竜絶滅に感じた恐怖は、小学校に入ってから知った例のあれにつながった。
ノストラダムスの大予言、である。
やっぱり隕石落ちてきたり得体のしれないものに人類滅亡させられたりするのかよ!とショックを受けた。
ちびまる子ちゃんも同じことで悩んだりしていて、気にするだけムダという結論は出たものの、不安が完全になくなることはなくて。
1999年7の月を何事もなく過ごして久しい。今の子どもはあれを気にすることなく健やかに育っていくと思うと、羨ましいような悔しいような。
図鑑以外に、恐竜がらみで思い出の本がもう一冊ある。
「ぼくが恐竜だったころ(ほるぷ創作文庫)」(三田村信行著、ほるぷ出版)という本。
近年よく似た題名の絵本が出ているようだが、こちらはもう少し対象年齢が高い。
地元の図書館にあったものを小学校中~高学年の頃読んだ。例の予言にまだ怯えていた頃のこと。
少年が太古の世界に行って恐竜になる話、だった。
そう書くと楽しげだが、少年が行くのはちょうど恐竜が滅亡する直前で。
少年をその時代に送り、恐竜の姿を与えた博士的な人はマッドサイエンティストで。
少年は恐竜として暮らし、恐竜の仲間もできるのだが…。
彼の前任者の末路、そしてラストが未だに忘れられない。
まだ地元の図書館に置かれているが、今も子どもにじんわりとした悲しみや恐怖を植え付けているだろうか。
子どもにプレゼントを贈る機会があったら、どうせならこういうトラウマになるものがいいかなあ、などとクリスマスに考えてたので、ここに書き残す。